「がったん」からの提案〜2003.8.27.
全国調査して感じたことを書いていきます。時々見直したり、付け加えたりしていく予定です。
1.「駅」を自社の「商品」として、もっと大事にアピールしてください!
駅の情報(エレベーターや身障者用トイレなど)をもっと公開して欲しいです。パンフレットなどを配布している会社もあります。自社のPRにもなり、好感度もあがることでしょう。企業戦略の一つとして、ぜひ、考えてみてください。
TVのCMなどで、バリアフリーの工事をもっとPRしてもよいでしょう。いまはやりのアイドルを起用してもよし。「移動」は車いすユーザーのみならず、その他の人にとっても大きな関心事なんです。駅が便利になったと知れば、「たまにはおばあさんを連れ出して出かけてみようかあ。」という気持ちになる人も多いことでしょう。
2.最新のバリアフリー情報を、ホームページ、または冊子等で公開してください。
まだホームページ上で自社の駅のバリアフリー状況を公開している会社は少ない状況です。首都圏では営団地下鉄や小田急電鉄、京王電鉄さんなどが駅の構内図も含めた情報を、ホームページ上で公開していますし、営団地下鉄や東京急行さんは、冊子版で無料配布しています。まだほかに素晴らしいホームページを公開されているところもあるかもしれませんが、この情報洪水の中、なかなか私たちの所まで情報が届きにくい。ぜひ、今後検討していただき、情報を詳しく、わかりやすく届けて欲しいと思っています。
3.将来のバリアフリー化の計画を公開してください。
駅で「今後エレベーターなどが設置される予定がありますか?」と聞くと、「予定はあるけど、まだいつというのはわかりません。」という返事が多く聞かれました。自治体でも姫路市などでは将来のバリアフリー計画を策定し、公表しています。だいたいの予定でもかまいません。「○△年の○月頃、△○駅に自由に使えるエレベーターが設置される予定です。」とか、「○△年の○月頃、△○駅に身障者用トイレが設置される予定です。」などと公表し、知らせていただけると参考になりますし、「ああ、がんばってるんだなあ」と気持ちが伝わってきますよ。
4.車いすで移動しやすい「ホーム〜地上・外」間のルートを、ラインで明示してください。
大きな駅になるほど構内は複雑になり、はじめて降りる駅ではかなり迷い、不安になるものです。車いすで移動する際、情報が少ないということは大きなハンディであり、移動そのものに肉体的にも精神的にも大きなエネルギーを費やしてしまいます。そこで、視覚的に一目でわかりやすい情報支援の方法を模索できればと考えます。例えば、病院でも見られるような、床に赤や緑などの色別のラインを引き、それをたどれば目的地にたどり着けるような「ガイド」を設置して欲しいと思っています。合わせて壁や天井から吊すなどの掲示も有効でしょう。
5.ホームと車両の段差、車両に乗り込む際のワンステップ、ノンステップの規格の違いの統一を。
特にJRさんは今までの長い歴史があるので、難しいとは思いますが、どんなにエレベーターが設置されてバリアフリー化されても、乗車する最後の最後でステップが一段あるばかりに、結局人の手を借りなければならなくなってしまいます。これでは自由に移動することはできません。ぜひ将来的なビジョンの中で、社領の規格統一へ努力してください。合わせて車両のノンステップ化と並行して、駅のホームが車両ステップとフラットになるよう、ホームをかさ上げしてください。
6.各線相互に乗り入れる直通列車を増やし、乗り換えの軽減を図ってください。
駅舎のバリアフリーが難しくても、直通列車を走らせることで、駅での乗り換え回数が減ることになり、バリアフリーと同様の効果を得ることができます。都内の地下鉄と周辺鉄道各社との相川乗り入れ、JRの成田エクスプレスの各地発着、ホリデー快速、などはその好例といえるでしょう。乗り換えの軽減、所要時間の短縮は、車いすユーザーが移動時に便利なだけではなく、高齢化社会を迎えるにあたり、新たな需要を掘り起こすことにもつながることでしょう。線路容量の問題もあると思いますが、ぜひ各社でアイディアを出し合い、検討してください。都内では、山手線をはさんで東西を結ぶ直通列車、特に常磐線に工夫の余地があるように感じています。
7.バリアフリーは合理化とも上手にリンクします。
現在、車イスで駅を利用するときは、業務用エレベーター、車イス対応エスカレーター、車イス用リフト(エスカル)など駅員さんの力を借りなければなりません。かといって、駅は無人化が進み、駅員さんがいたとしても、合理化で1名のみなどということも珍しくないのが現状。少ない人数でやりくりしている現場(駅)も、車いす利用者への対応は限界が近づいています。
そこで、駅員さんの操作が必要のない、自由に使えるエレベーターを設置、普及させていくことで、車いす利用者への対応にあたる人的要員も少なくて済み、人件費の圧縮という合理化の考え方ともマッチします。車いす利用者にとっては、人の力を借りずに自由に移動でき、こちらも言うことなし。でも、最低限の安全確保のための要員は残しておいてくださいね。
8.身障者用トイレの設置場所に配慮を。
身障者用トイレを1カ所設置する場合、男女共に入りやすい場所に設置してください。男子トイレの中側とか、女子トイレの中側とかでは、逆の性の利用者は入りづらいです。理想は男女のトイレの真ん中に。そしてできることなら、関西の駅で普及しているような、男女それぞれに1つのトイレを。
9.身障者用トイレにベットを!
身障者用トイレには広いスペースがあります。そこに大人が横になれる大きさのベットを設置してください。赤ちゃんだけではなく、成人でも下着やおむつを替える必要のある方がいます。そのとき、大きなベットがあると、とても助かるのです。他にもベットは衣服を整えたり、荷物を置いたりするのにも役立ちます。広いスペースの中に、荷物を置く所って、以外とないんですよね。
10、学生団体割引を養護学校にも適用してください。(人数規定の弾力化を。)
現在、JRは8人以上、私鉄の多くは25人以上の団体を、学生団体として認めています。しかし、養護学校の場合、1クラスが3人という学級編成も珍しくなく、校外学習や修学旅行では苦労しています。ましてや25名以上の団体を組むことはできないことがほとんどです。身障者手帳や療育手帳を使うとしても、100キロ未満の場合は付き添いがいないと割引の対象にはならず、付き添う教員の数の方が生徒より少ないわけですから、割引になる生徒と割引にならない生徒が出てきてしまい、会計上も複雑になってしまいます。
普通学校と同様、子どもたちは養護学校でも一生懸命勉強に励んでいます。その子どもたちが、養護学校だからと言うことで不利益を被ることのないよう、人数規定の弾力化を検討してください。
11.マスコミのみなさんへ〜バリアフリーの情報をもっと報道してください。
駅が改築され新しくなった、駅にエレベーターが付いた、身障者用トイレが設置された、直通列車が走る・・・など、「移動」に関するニュースをもっと報道してください。車いすユーザーに関わらず、社会的にも「移動」に関するニュースは大きな関心事です。また、バリアフリーについて周囲の人が理解するきっかけにもなることでしょう。ぜひ、大きな動きがあるときには、詳しく報道していただけると助かります。
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