車いすとバスについて

 本当は鉄道よりも一番身近な「足」であるはずのバス。自分の住む家から最寄の駅までの移動手段がなければ鉄道も利用できないわけで…。なのに、なかなかバリアフリー化が進まず、利用にあたってもトラブルが多いのも、バス。バリアフリー化が進めば、値段も安く、家の近所まで来てくれるバスは、とても便利な移動手段であるはず。もっともっとバスを身近にするために、問題点を出し合いましょう。


2005年6月20日(月)「車いすでバスに乗るということ」

 やまなさんから以下のメールが届きました。いろいろと考えさせられた内容です。紹介しますね
 
 『6月17日、大阪地裁で車いすでの市バス乗車における運転手の暴言や乗車拒否を受けた女性が起こした訴訟への判決がありました。車いすマークを表示しているステップバスで、運転手に乗車拒否や介助義務違反をする、障害者にとっては日常的とも言うべき事例についての提訴でした。6月22日(水)午後4時、判決検討会議が大阪弁護士会館で開催されます。
 以下、担当弁護士さんからの説明です。
<大阪市バス乗車許否訴訟、一部勝訴(慰謝料5万円)
 原告は車いすで普通バス(乗降口にステップのある通常のバス)に乗ろうとすると、「リフトバスに乗って下さい」と言って乗車拒否された。このほか3回車いすで乗車したことが背景となって暴言をはかれた(事実認定の有無は不明確)。大阪市は「手動式車いす利用者は普通バスにも乗れます」との広報ビラを配布している。車いす利用者がバスを利用できない場合がある、という、しかし、その点につき車椅子利用者に説明し、これを周知徹底させるべき信義側上の義務がある。大阪市は上記のことについて周知徹底させる方策を十分に講じず、車いす利用者の乗車に際しての対応を現場の運転手に一任していた。そのため、今回のようなトラブルを生じる原因となった。大阪市には、上記信義側上の説明義務を尽くさなかったという義務違反があり、原告が被った精神的苦痛は賠償すべき義務がある。慰謝料は5万円が相当。という判決。
 当方は、乗車許否は論外、と主張していました。「ワンマンバスであるために車いす介助ができず、乗車拒否する場合がある」という大阪市の主張は認められない、ワンマンバスは人件費節減という大阪市の都合で、(本来車いす介助を担当する)車掌を廃止したのだから、運転手が車いす介助すべきは当然だ、と主張しました。しかし、裁判所は、そのような拒否できる場合があることを認めつつ、大阪市の説明不足を理由に慰謝料を認めたに過ぎません。
 慰謝料は一部認められましたが、釈然としないものがあります。大阪市から「車いすではバスに乗れない場合がある」と説明されても納得が行かないでしょう。車掌が乗っていれば車いす利用者も介助を得ながら自由に乗降できたのに。結局、車いす利用者は大阪市の合理化政策の犠牲となったことになります。』
 
 なるほど。車いすで乗車することの大変さが伝わって来ます。ワンマンバスは安全とコストを天秤にかけた結果であると、思っています。経営の効率化を図る上で仕方のない面もあるかな、とも思うし。でなければ、今の時代、存続か廃止か、という究極の選択を迫られてしまう。新幹線の並行在来線の問題もそうです。赤字=廃止、ワンマン化→便数削減→廃止、という図式がしっかりとできあがっていて、その解説が「民間企業ですから」と。そのため、利用者は地域の足として鉄道やバスが残ってくれるのなら、と不便なワンマン化という条件を飲まなければいけない状況であるように感じます。地方の公共交通機関の経営はどこも厳しいのはわかりますが…。ワンマン化する際には、そのために犠牲になる利用者がいることを、いつも念頭においていて欲しいものです。


2005年6月11日(土)「ハンドル型電動車いすの対応が、街によって違う?!」

 やまなさんから以下のメールが届きました。紹介しますね。
 『ハンドル形電動車いすを全面的に乗車させないと広報している
大阪、堺市の「ふれあいバス」の担当者と電話で話しました。
http://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_koutuseisaku/bus/bus.html
「ハンドル形電動車いすだけを一律に乗車出来ない」と言うのは、JR東海にたいして出された人権侵害勧告がそのままあてはまる。関西でそのような誤った認識でコミにュティバスを運行しているのは堺市だけで、ハンドルが付いているからダメは通用しない。
 乗車可能なものは乗せることが出来る判断が出来るように改めてください。大阪ではセニアカ−も含めて全部OKなのに、隣の堺市が全部ダメは問題です。早急に改めてください。 
 以上のことを良く説明して話し合いましたが、協同運行している南海バスの意向で単純に一律拒否し、その意味を理解していなかったことが良く分かりました。たぶん検討、改正してくれるだろうと期待しています。
 ノンステップバスとリフトバスの2種にどのような現実的な規則を設けれるかは、「どうしても必要なら単純に物理的な数値基準を設定する、間違ってもハンドルの有無を条件にしないこと。」ホームページの改正で応えたいそうですが、何時になるでしょう?』
 大阪でいいことが堺市ではだめ、というケースは、他の町でも結構あるんでしょうね。やはり交渉するときも、「○△市ではよいのになんで自分達の市ではできないのか?」というかたちが、話が進みやすい気がしました。
 となるとですね、最初に前例を作ると言うことはとても大事なんだな、と。今、世の中はどう動いているか、という情報に触れると言うことも大事になってきますね。やまなさんのような「ニュース」は、なかなか記事として取り上げられにくい記事だと思うんです。いわゆる「達成」したり「完成」したことではなく、あくまでもいろんな出来事の「過程」なわけですから。
 「がったん」はこれからも、やまなさんをはじめ、いろんな方が取り組んでいるニュースを話題にしていきたいと思っています。メールや掲示板でどうぞお寄せ下さいね。


2005年4月15日(金)「やまなさんの万博レポート」

 すみません、明日、とか予告すると決まって仕事が立て込みアップできない日が続きますが(笑)。では、やまなさんのレポート、行ってみましょう。
 「4月9日土曜で快晴、暑いくらいの一日でしたが、名古屋駅から万博会場までと会場内、問題の会場間ハイブリッドバスなどを乗車チェックする交通行動に大阪から参加させていただいて感じたことなど報告いたします。
1、ハンドル型電動車椅子へのJR東海の対応の変化
<名古屋駅での乗車>
 車椅子での集団乗車の中では特に補装具支給証明書を要求されなかった。これは昨秋の交通行動の時も同様だったので、補装具乗車実施後で対応を変えたかは不明で、単に他の車椅子の中に小型のハンドル型がまぎれていたので、気がつかなかったのかも分からない。
<愛知環状鉄道、万博八草駅>ではハンドル型も問題にしていないので、名古屋駅で乗り換えるハンドル型が出てくる事に気付いていないように思いますがどうでしょう。(この会社はハンドル型もOKと確認)
 帰途、偶然出会った大阪の介助付き車椅子の人と、2台で名古屋駅から乗車したときは「シニアカーは証明書が必要、所持しているか」と問題にされた。しかし、既にホームに上がっていて、夜9時前で時間も遅く、乗車出来ないと大阪に帰れないと強く乗車を頼むと了解してくれた。人権侵害勧告で少し態度を変えたのかもと思われるが、真意はまだ不明です。
2、会場迄のアクセスー名古屋駅から
○名古屋ー万博八草、直通エキスポシャトル
 対応が遅くて、出来るだけ迅速に乗車させると言う他社のような考えがない。携帯スロープ板も最初スキー状2枚板のものを持って来て、ダメと指摘されて巾広の2枚折り畳みを持って来たが、巾が70cmギリギリのようで通常のジョイスティック型で乗車の際ゆとりが無く、あれがJR東海で導入テストしているとの携帯スロープ板としたら、問題ありです。時間的には地下鉄利用の方が早くて料金も安い様です。単独車椅子の場合は割り引きがあるのでかなり差が出る。
○リニモ
 段差はほとんど無く、大多数の車椅子は携帯スロープ介助は必要ないように感じた。ホームの場所によっては隙間が大きな所ができるのでしょうか?特に問題ないが、ホームが狭いのとエレベータが小さいのが気になりました。
○会場間ハイブリッドバス
 3点固定出来ないと乗車させないとの問題のバスですが、小型のハンドルが多電動は最初まずダメと言われました。ダメかどうかは実際に試さないと分からないからやってみろと要求すると固定出来ました。どのようなマニュアルによって判断しているか分かりませんが、公式バリアフリーガイドブックでは、「固定出来ないものについては乗車をお断りする場合があります。」となっているので、一律に乗車させないのか、断らないばあいがあるのか詰める必要があると思います。しかし、会場内外のどの乗物もまったく固定していない、モリゾ−ゴンドラのように凄く横揺れするものでも、固定装置さえ設置してないのに、どの車椅子も無条件乗車出来るのに、なぜこのバスだけ非常識な固定を強要するのか、乗物全体の乗車条件から突出している理由がありません。協会に強硬に申し入れて下さい。IMTSの運行認可条件に陸運局が無人運転を認めず、ガイドとして乗務員をのせろと言われたと聞いたので、それに似た事情があるのかもわかりません。確かめてみて下さい。
3、その他気付いたこと(ケアセンターの担当者と話したこと)
(A)バリアフリー情報の出し方や、実施の方法は現在どのようにすれば実態に合うか試行錯誤の段階なので、気が付いた事はどんどん教えて欲しいとのこと。
(B)申し入れしておいたこと
・会場間バスの固定問題、これは動愛知実行委員会から改めて申し言れがあるのできちんと対応して欲しい。
・車椅子でそのまま直ぐ入場出来る館の情報が欲しい。車椅子入場出来ても整理券が当日終了など、館によって事情がいろいろを一々車椅子で聞いて回れないので、入場の時ここは直ぐOKの情報が欲しい。
・電動車椅子の充電が多くの場所で出来るようにして欲しい。
遠来の入場者はバッテリー残量気になります。場内は起伏が多く案外バッテリーを消耗しました。JR東海の映像館内に直ぐ使えるコンセントがあったので、上映中に充電を頼んだがダメでした。車椅子の充電を拒否されたのは初めての経験でした! 各パビリオンに拒否しないよう要請してくれと頼みました。

 久しぶりの万博で楽しめそうでした。自然ともよく溶け込んで環境に配慮していることが良く感じられる設計で、バリアフリー用の公式ガイドブックが発行されているように従来の万博に比べると配慮は格段に向上しています。しかし、実際にパビリオンにどれだけ入場出来、一般の人と同じように楽しめるかが問題です。気が付いた事はどんどん申し入れして気持ちの良い万博にしたいものです。

 さらに、中日新聞に記事が掲載されたそうです。以下はその記事の内容です。

「中日新聞記事の掲載紙面です。記事内容に対して、JR東海から「このような記事を書くのは如何なものか」とクレームがあったそうです。
2005.4.10 中日新聞 34面 愛・地球博 車いす対応に“段差” 利用者が交通点検 会場間バス 一時乗車拒否も
 愛・地球博(愛知万博)の会場内や行くまでの交通手段の使い勝手を車いす利用者が確かめる「春の交通行動」が九日あった。電動車いす利用者五人がボランティアらと参加。会場間を結ぶ燃料電池バスで乗車拒否されそうになったり、鉄道各社の車いすへの対応が違ったりするなどの課題が浮かんだ。
 愛知県重度障害者の生活をよくする会などのメンバーらが実施した。JR名古屋駅からエキスポシャトルとリニモ(東部丘陵線)を利用した。
● 固定装置合わぬ
長久手会場と瀬戸会場を約十分で結ぶ燃料電池バスは車いすの場合、車輪など三点をベルトで床に固定する。大阪市の山名勝さん(62)のハンドル形電動車いすを見たスタッフは当初「固定装置と合わない」と乗車を拒否。山名さんは「とにかくやってみて」と乗り込み、固定してもらうことができた。
しかし、車いす二台を固定するのに五分以上かかり「そもそも電動は安定性が高く、こんな固定は必要ない」と参加者
瀬戸会場から愛知環状鉄道の万博八草駅に向かうシャトルバスでは、輪留めをしてシートベルトをするだけで済み、名古屋市の平山晶士さん(29)は「このように僕らも気軽に乗せてほしい」と話していた。会場内ではゴンドラや隊列走行バスIMTSにも乗ったが、固定などの必要はなく快適だった。
● 車両を指定され
 会場までの交通機関ではハンドル形車いすへの対応の違いが分かった。同車いすの使用を一律拒否し、法務省から改善勧告されたJR東海は今年三月、法律に基づく「補装具」として車いすを給付されたという証明書があれば乗れることにした。
 しかし、給付を受けられる人は限られ、山名さんも自前。普段は乗車拒否されるが、この日はほかの車いすに交じって証明書なしでJRのエキスポシャトルに乗れた。 シャトルが乗り入れる第三セクターの愛知環状鉄道の駅員に対応を尋ねると「形が違うだけです」と気にしない様子。リニモでも証明書の提示は求められなかった。JR名古屋駅では他の車両が空いていたが「車掌がいる一番後ろの車両へ行ってください」とホームを移動させられた。リニモは制約はなく、担当者が「どこに乗りますか」と聞き、希望の場所にスロープ板を置くなどの配慮をした。」

やまなさん、いつもありがとうございます。電動車いすの外出先の充電問題は、切実ですよねえ。ガソリンスタンドのような、「充電スタンド」など、考えていけないですかね。


2005年4月4日(月)「大阪には介護人付無料乗車証がある!」

 知っている方は何をびっくりしているの?とお思いでしょうが、私はびっくりしました。やまなさんに見せてもらったんですけど、障害の状態によって、地下鉄と市営バスが無料になるんですね。東京都でも同じような制度があるはずと言ってましたが、そうなんだ…。千葉県我孫子市にはないですねえ…。話しをしているうちに、やはり住んでいる行政サービスの違いなんじゃないかと。もっと具体的に言うと、市バスや市営地下鉄など自前の公共交通機関を持っているところは、サービスもいいんだろう、と。なるほど…。我孫子市は民間の阪東バスだから、簡単に無料にするわけにもいかない、と。住む場所によって随分違ってきちゃうと言うことですね。
 ただし、実際に活用している人は、と言うと、案外少ないんじゃないかと。地下鉄に乗ったことがない、乗り方がわからないと言う人が多いのではないか、と言うことでしたね。今や、車いすを使って生活している人たちにとって、生活の足の中心は自家用車。「ドア・トウ・ドア」、と言うことなんでしょう。しかし、やまなさんは「車いす利用者の人たちは、もっと外に出るべきじゃないか。外に出て行くことで、いろんな問題が見えてくる。車いすから関連する問題はいろいろあって、利用者が感じたことを声に出していかないと、生きた車いすを考えていくことにならないんじゃないか。」
 問題意識をそれぞれ持とう、ということをおっしゃりたかったのかな、と感じました。でも、問題意識を持ったとしても、その意見を出し合ったり、集約する場が、この日本にはないんじゃないか。車いす学会みたいなカタチの「広場」が欲しいね、と言うのが、昨日の日記の原点なんです。…って、やっと昨日の日記が完結した感じ。ほっ。
 車いすユーザーだけではなく、車いすに関わる人々が、自分の問題として感じたことを声に出して行けたら、少しは今の状況を変えられるんじゃないかと、そう思う今日この頃なのです。


2005年3月19日(土)「愛知万博の乗り物のバリアフリーについて」

 久し振りに大阪のやまなさんからメールを頂きました。愛知万博について感じたことが書いてありました。私も万博についてはあまり詳しくないのですけれど、名古屋は空港でかなり盛り上がっていると聞いてます。ただ、バスとなると、ちょっと事情が違うようですね。
<大阪のやまなさんより>
名古屋以外ではまだ盛り上がっていないようですが、もうすぐ開幕の愛知万博で車椅子乗車について、愛知の活動家の方々が万博協会やアクセス交通事業者と交渉し、いろいろ情報を発信されています。しかし、たいへん気になることが進行しているようなので報告します。

(情報転載)

メールを頂きました「愛・地球博」の万博八草駅から瀬戸会場を結ぶ「燃料電池ハイブリッドバス」(全便標準仕様ノンステップバス)とIMTS(全便ノンステップバス)に対する車いす利用者への対応につきまして協会に確認しましたところ、以下のような回答でした。
1、基本的にフックによる3点式固定が出来る車いすについては車いすのままでの乗車を可とする。自走式車いす(自走型、介護型)及び一般的な電動車いす(スティック操作)は固定が可能。
2、3点式固定が出来ないハンドル型車いすの輪留めのみによる体験乗車を、AJUの方にもしてもらったが、万一の衝突時による車いすの方の安全と他の乗客の安全が担保出来ないことから、メーカーとも協議した結果、乗車を遠慮してもらうこととした。ただし、どうしても乗車したい方については、協会が用意する車いすに移ってもらい乗車してもらことは可能。
3、案内表示として、車いすにより乗車出来ない場合がある旨知らせる。質問者様は、「固定具は輪留めと低速安全運転で」すべての電動車いすをウェルカムすべきとのご指摘ですが、不特定多数の人が集う会場において、不測の事態も想定しての対応かと思いますから、ご理解頂きたいと思います。

 これは万博協会が運行する話題のハイブリッドバスの情報ですが、名古屋地区はJR東海の本拠地であり、バリアフリ−意識が関西とはかなり異なっています。ハンドル型電動車椅子で、愛知万博に行けるのかはかなり否定的ですが、それよりバス乗車に3点固定が条件になるなど聞いた事もないことが、進行している事態に危機感をいだいています。みなさまはどう思われますか?

(情報転載、以下は愛知の交通行動実行委員へ小生が送ったメールです)

 愛知万博でのバス乗車でベルト固定が条件となっているとのことですが、この議論そのものが小生には不可解です。これまで、さまざまな交通手段を利用してきましたが、車椅子を固定することを乗車条件にされた経験はありません。
 何故この度は固定が前提になっているのですか?急ブレーキへの対応なら前方に対して飛び出さないように出来れば十分なのではありませんか。また、高速バス以外のバスで乗車時に固定を要求されたことすら一度もありません。このような事がどこかで行われているのですか?バス利用に対して「固定出来ることが条件」などということが前例になるのをどうして容認するのですか?3点ベルト式固定の是非以前にどうしてこの度だけ、このように厳重に固定しなければならないのかを問題にしないのですか?このバスはそんなに危険な走行をするのですか?通常の市内交通バスと同じで何故いけないのですか?この問題については良く知らないのでピント外れのことを申しているのかも分かりませんが、JR東海と同様に規制第一で、どうすれば誰でもが乗車出来るかとの肝心な視点からの話がなされていないように感じて、これが大規模催しの前例になることを憂慮いたします。

 以上がやまなさんからのメールです。これを読んだ感想ですが、この国は「はじめてのこと、もの」や「人と違うこと」について、あまりにも冷たいと感じます。人と違ったっていいんです。たいしたことではないんです。だけれども、違ってしまうと、安心できないのでしょう。ハンドル型電動車椅子についてもそう。「知ると言うこと」「知ってもらうこと」が、まずは最初の一歩。そう思ってます。


2005年2月22日(火)「ベビーカーのまま乗車OK〜名古屋市市バス」

 昨日の共同通信で、上記の内容の記事が出ていました。これまではベビーカーを折り畳んでの乗車が原則だったのを、車いす用のスペースや座席の手すりにベルトを備え付け、ベビーカーを最大2台まで固定できるようにしたそうです。横浜市に次いで政令指定都市で2例目だそうです。
 車いすとベビーカーは、移動手段としての用途は似ているところがあるけれど、構造としてはかなり違いがあるなあ、と感じています。フレームも金属製ではないし、重量も軽すぎて安定感と言った面では不安があります。そして、A型、B型と2種類のベビーカーがあるんですね。コンビ株式会社のホームページを見てみると、A型は「生後1カ月〜24カ月までが使用できる。約7キロ。安全性、快適性が最優先のため、ボディや車輪もしっかり。そのぶん他のタイプより大きく、重い。階段の上り下りはちょっとたいへん。」で、B型は「新生児〜2才頃まで使用できる。約3キロ。スリムに折りたため、収納場所をとらない。軽量なので、電車の乗り降り時に、赤ちゃんを抱いて片手で持ち運ぶのもラクラク。」ですので、乗っている子どもへのダメージとか、衝撃、振動からの影響はどうなのか。詳しいことは私もわからないんですけど、同じように考えていいものか悩みます。私も7年ほど前、ベビーカーユーザーでしたが、どうもフレームが華奢な印象が強くって。折りたためる分、フレームがくにゃくにゃして、なんかこう、ちょっぴりこわいなあ、と思ったことがありました。まあ、我が家はおんぶひも派だったんで、ベビーカー自体はあまり使わなかったんですけど。階段での上り下りとか、バスの乗降とか、畳むのも結構大変なんで。子どもをおろしたり、ベビーカーの後ろにかけてある荷物の置き場に困ったりするし。
 ですけどね、いろんな動き、前向きな動きがあることはいいことだと思うんですよ。こうします、という発表のあと、ユーザーからいろんな意見が出て、それに耳を傾け、そして改善していく、という気持ち。それが大事だと思うんですよねえ。上記の件だと、以下に車内で固定できるかがポイントかなあ、と思いますけど。
 変わるきっかけって、いろいろあると思うんですけど、今回は「愛知万博で子連れ客も増えるので、乗りやすさを目指した」というのがおおきなきっかけになっている様子。ぜひ、いろんな街で、乗りやすさを目指して頂きたい。そう思った記事でした。


2004年7月26日(月)「新潟県内の移動は高速バスが主流」

 新潟県はとても高速道路が発達しています。そして、新潟近辺を除くと流れがスムーズなため、高速バスがとても発達しています。安くて、そこそこ早くて。乗り換えもない。若干渋滞などで時間が読めないところもありますが、それにしても便利です。ただ、車イスユーザーにとって利用しやすいかというと、必ずしもそうではなく、今後考えていく余地があるといえば、車内に乗り込む際の垂直移動(リフトやスロープなど)、そして車内の平行移動(通路を広く、または乗車口付近に車イスを意識した(畳んでも、乗ったままでも)座席。そして、車内での座位確保、トイレの確保などがあげられるでしょう。そこをクリアできれば、かなり有益な交通手段になると思われます。
 しかしながら、町を少し離れると、公共交通機関が心細くなるのが、地方の実情。そんなわけで、各家庭にはマイカーが2台、3台という家も多く、それこそ高速バスなどを使わなくても、最初からマイカーで、となるかも。でもでも、やはり、そういう家庭だけではないだろうし、選択肢は多い方がいい。これ、「がったん」の主張、です。


2004年6月15日(火)「高速バスの車内」

 突然の車内レポートです。前回までレポートしてきた高速バスのご紹介。しかし、今や高速バスネットワークは全国隅々まで行き渡っており、車種も様々で、一口でこうだ、といえる物ではなくなってしまいました。なので、今回はまあ、一般的なモデルになりそうな、JRバス政宗号(新宿〜仙台)のご紹介。車内は4列シートでステップは車内通路まで計4段。ちょっと狭いですが、まあ、このバスはそれでも広い方かな、と感じました。介助の仕方としては横抱きは厳しい(不可能ではないと思いますが)と思われますので、前後から背後と足側の2名で移動するのがいいかな、と。あと、日中利用がいいですね。夜行はやはり疲れますから。でも、3列シートのバスなら検討の余地がありそうです。みなさん、いかがですか?


2004年6月13日(日)「高速バスと車イスユーザー」

 <この日記は、昨日12日にバスの中で書きました。>
 さて、もう帰省は終了(笑)。今朝仙台に着いたばっかりだってのに。これぞトンボ帰り、ですね。
 今は高速バス「政宗」号で新宿に向かっているところ。車内は大変空いており、4列シートとはいえ、大変快適です。おまけに昼間だからそんなに<寝なければ!>という脅迫めいた気持ちでもない。だって、夜行はすぐ車内が真っ暗になりますからね。寝るしかないんですな。
 で、昨日言っていたように、運転手さんへの単独インタビューを敢行いたしました!わ〜、パチパチ♪
 我が東北なまりの心地よいJRバス東北の運転手さん。
私「車いすを使ってのバスの利用は可能ですかね?」
運転手さん「運転手がたがく(抱える、という意味です)のは難しいかもしれないけれども、付き添いの方がたがいてあげれば(抱えてあげれば)大丈夫っしょ。」
私「車イスはトランクに入れることができますよね。」
運転手さん「そう、大丈夫。」
私「で、実際に車イスを使われている方が、高速バスを利用することってあります?」
運転手「あ〜、それはないねえ…。いや、まてよ。あ〜、いるいる。時々いらっしゃいますよ。」
私「あ、そうですか。いらっしゃるんですか。」
運転手「不可能ではないよ。きっと。」
おお、ですって。いらっしゃるようですねえ。利用されてる方が!ああ、お会いして話を聞いてみたい!そして、高速バスならではの旅のポイントなどを聞いてみたいですう。みなさん、お知り合いのかたでご存じないですか?
 あと、今とっさに思いついたんですけど、各交通機関の車イスを使っての利用のメリットとデメリット、利用に関してのツボ、またはポイント集!みたいなコーナーが「がったん」にあってもいいかなあ、と思っちゃいました。もちろん、口コミ集みたいな感じでね。なんか、おもしろそう♪もうちょっと、練ってみま〜す。


2003年6月4日(水)「バリアフリーな表示〜バス方向幕から」

 <色が文字が「見にくい」の声 仙台市バス電光表示>という記事が、6月3日の河北新報に掲載されていました。
「黒の背景に発光ダイオードのオレンジ色の文字が浮かび上がる仕組み。白地の幕に黒い字で行き先が印刷された従来の巻き取り式に比べると、確かに系統番号や行き先、経由地の表示がぎっしりと詰まって見える。」とのこと。でね、近所のバス会社も最近電光表示となり、見にくいったらありゃしない。以前は紺地に白字だったので見やすかったのですが。
 ここで問題になるのが、この電光表示を「見にくい」と感じる人と「見やすい」と言う人がいて、バリアフリーと一口に言ってもむつかしいなあ、と感じた今日この頃なのであります。
 最近、仕事でへとへとになり、夜はばたんと寝てしまうことが多いです。昨夜もそうで、更新できませんでした。待っていたかた、済みませんでした。


2002年5月22日(水)「コミュニティバス」

 先日テレビで武蔵野市の「ムーバス」というコミュニティバスを見ました。小型のバスで、狭い道なんかにもぐいぐい入っていく。そして運賃もワンコイン100円。このバスが今、全国各地で増えてきているんですって。
 このバスにスロープやリフトをつけて、バリアフリー化し、町の足に育てていくことはできないかな、と。そんなことを感じました。やはり自分の住む家から最寄の駅までの移動手段も、バリアフリーを考えていく上で大きな問題だと思うので。