がったん日記 2006年10月〜12月
2006年12月27日(水)「バリアフリーは、自己責任?」
バリアフリーは、生命を守ってはくれない。たまさんから教えてもらった事故は、そんな事故だった。どんな事故だったのかを、ネットからちょっと抜粋。
「札幌市営地下鉄東西線「琴似駅」地下1階で今月8日、電動車いすに乗った同市西区の無職男性(52)が、エレベーター乗降口付近から2段(計38センチ)下の踊り場に車いすごと落ち、頭を打って翌日亡くなっていたことが22日、明らかになった。
事故のあった施設は、高齢者や障害者の円滑な交通移動を促進する「交通バリアフリー法」の基準を満たしているが、乗降口の端から階段まで約38センチしかなく、市交通局は再発防止策の検討に入った。
市によると、男性はエレベーターで地上から地下1階に降り、改札口に向かうため、後ろ向きの状態でホールに出て方向転換する際、誤って近くにある2段下の踊り場に落ちた。」
そして、たまさんの掲示板のコメントにつながっていく。
「札幌の事故 たま 2006/12/23 (土) 03:13
交通バリアフリー法って何だろう?やはり健常者の作った物?良くエレベータの段差で怖い思いするが回転できるスペースがなく段差が二段…絶対危険だとなぜ改善されず交通バリアフリー法も認可されたのか?車いすで怖い思いや危険な目に遭ってる人がいてもバリアフリーなのか?もっと障害者達の声を聞いて欲しい(怒)亡くなった人の冥福を祈り再発事故がない事を願ってます」
別に私はね、自己責任でいいと思っているんです。生きていくことが、自己責任そのものだし。生き方を決められたくはないし、誰かに助けてもらわなくっても、いい。でもね、バリアフリー法ってのは、国が決めたことなんだし、決めたのなら、その法律を利用する側に立っていろいろ考えて欲しいのです。
特に問題が命に関わることであるわけで。かなり大切な法案であることを、私たちはもっと認識した方がいい。聞こえのよい、、おさまりのよいコトバなんだけど、使う側も絶えず緊張感は持っていきたい。自分が使い勝手がよくても、別の立場では、生命に関わったりする。完全なカタチはなかなか見つけにくいとは思うけど、その不便さを共有できる「ライン」をそれぞれの立場で声を出し合っていくことが大事なのではないか。そんなことを考えた、年末の夕暮れ時なのでありました。おしまい。
2006年12月17日(金)「70,000ヒット、ありがとうございます!」
少々ご挨拶が遅れましたが、70,000ヒット、達成しました。今までのご支援、ありがとうございます。今後とも「がったん」をよろしくお願いします。
さて、最近相互リンクの依頼が続き、バリアフリーリンク集に、4つのホームページを追加しました。皆さんそれぞれ、自分自身に起こった体験をコトバにして発信しており、一番中身の濃い内容になっている気がします。ぜひご覧下さい。
2006年11月24日(金)「まもなく70,000ヒット。感謝、です!」
体調を崩してからというもの、以前のように頻繁に更新ができなくなり、現地の駅に確認作業等に出かけることもほとんどなくなってしまった昨今。専らメールでの情報提供とネットでの検索、各鉄道会社のPR冊子等で、今まで調べてきた駅の情報更新に努めてきました。しかしながら、その更新スピードはカメのようにゆっくりとしたスピードになってしまい、自分自身寂しい思いをしてきました。先日気がついたんですけど、アクセスカウンターのヒット数がなんと、70,000ヒットに近づいているじゃありませんか!細々とした活動ではありましたが、あたたかく、そして気長に見守っていただいた皆様方のおかげであると思っております。ありがとうございます。
この「がったん」の活動も、はや6年という月日が流れ、感慨深い物があります。ネットという環境があるからこそ発信できる、存在し続けることができるのかな、と思う今日この頃。特に収入が得られることもありませんが、反対に維持費用もほとんどかからないのがよいところですね。冊子だと、印刷費用、送料、在庫を抱えてしまったときの経費等、いろいろ頭が痛かったりするんですけど。冊子版もあきらめたわけではありませんが、今はじっといろんなことがうまく動き出すことをじっと待って、風向きが変わったとき、新しいことにいろいろと挑戦していきたいと思っています。
今後も何かとご心配ばかりかけていくこととなりそうですが、どうぞよろしくお願いします。
2006年11月18日(土)「車イス対応エスカレーターではなく、エレベーターを」
千葉県八幡宿駅の情報を集めているとき、あらためて2004年に起きた車イス対応エスカレーターでの<電動車いす使用障害者の転落事故>を思い出しました。やっぱり車イス対応エスカレーターではなく、自由に使えるエレベーターを移動の基本としたい。DPIさんという団体で出している要望書を読んでいたら、あらためてそう感じました。
その中で、特に印象的な部分を抜粋させてもらいます。
「私たちはDPIの発足当初から、階段のある駅には、橋上・地下通路には、誰もが安全に自由に使える「エレベーター」を設置してほしいと強く求めてきました。「エレベーター」でない昇降機は、ことごとく、私たちに事故との背中合わせの昇降移動を余儀なくさせてきました。
私たちは、もうこれ以上、社会参加する上で欠くことのできない公共交通機関の利用において、心身の安全を脅かされる様な移動状態に耐えられません。
公共交通機関と付帯する今回の様な高架・地下通路を含めて、「エレベーター」以外の昇降機は設置しないでください。設置する時は、「エレベーター」を設置してください。」
車イスを利用して移動するということは、スロープとかでない限り、どうしても機械に頼らざるを得ない。で、その機械がエスカレーターで、車イスが乗れるようにステップが3段分水平になって、利用しやすいよ、と言われても、突然そのステップが階段状になって車イスごと転落してしまう、と言うことでは困るわけです。生命を預けるわけですから。
まあ、だからエレベーターがいい!というかというと、シンドラー社のエレベーターのように、やはり問題のあるエレベーターもあるわけで、絶対はあり得ないのだろうな、と思いますけど。でも、やは安全性をきちんと確保した上で、エレベーターが今はベストだよ、と。個人でかけるお金ではなくて、企業がかけるお金です。ある程度の負担はお願いしたいし、それが厳しければ、補助金として私たちの税金を使っていただきたい。…なんか、上から物を言うようですが(笑)、そのように思う訳なのであります。
2006年11月17日(金)「柏オンデマンドバスを利用しています。〜公共交通機関を私たちの物に」
すっかり更新ができず、時間が経ってしまいました。すみません。体調がすぐれなかったのが一番の理由です。でも、薬が変わったら、ちょっとよくなってきました。また少しずつではありますが更新していきますので、気長にお付き合い下されば幸いです。
さて、私の職場は千葉県の柏市にあるのですが、その柏市で「オンデマンバス」という実験が行われています。公共交通機関のあり方を考える上で、非常に興味深い取り組みだと思います。東大柏の葉キャンパスにある設計工学研究室のホームページの説明はこんな風に書いてあります。
「オンデマンドバスとは、乗客のデマンド(希望)に合わせて走行する次世代の交通機関です。 路線バスと比べるとその違いがよく分かります。
路線バスは、時刻表の通りに運行し、用意されたすべてのバス停をまわります。単純で分かりやすいシステムですので乗客は簡単にバスに乗ることができます。その反面、さまざまな不都合な点もあります。
たとえば、時刻表どおりに運行するので、自分の都合の良い時間に乗客は併せづらいです。たとえば、「バス停で10分待たなければならない」「会議にあわせたちょうど良いバスがない」などという不満は誰しもが経験したことのあるものでしょう。
また、路線バスは乗客がいない場合も決められた経路を決められた時間通りに走ります。これは決して環境に良いことではありません。バスの運行にかかるコストなど多くの無駄を生じているといえます。
これらの問題点を解決した新しいバス機関がオンデマンドバスです。オンデマンドバスは乗客からデマンドが入った時に乗客のデマンドに合わせて運行します。
オンデマンドバスの特長はもう一つあります。それは、乗り合いです。乗り合いとは、似通ったデマンドを持った人が一緒に乗ることを意味します。タクシーの場合には出発地から目的地まで乗客は最大4人程度です。寄り道もしません。
オンデマンドバスには乗り合い機能があり、バスが寄り道をして他の乗客を拾います。この点はタクシーと異なっています。オンデマンドバスは都市部の渋滞緩衝などに貢献します。」
<利用者>というと、今までは乗り物の都合に合わせることが多かったように思うんですね。発車時間にしても、駅などの乗り場の構造にしても、乗り物自体の構造にしても、それを利用できる人しか利用できない。利用できない人は、自前で料金の高いタクシーに乗るか、自家用車で移動するしかなかった。でも、移動すると言う行為は、生きていく上で必ず必要なことであり、もっと自由であってよいのではないか、と考えます。私たちに乗り物があわせてくれたっていいじゃないか。そんなことを思うわけですね。
でも、なかなか今までの考え方というのは簡単に変わらないし、、お金もかかること。その辺の折り合いみたいな物をどう考えていくのか、というのが現実的なのかなと思うのですけれど。
そこで、思いがけず、今回のこの実験を目にしたとき、同じ感じの匂いがしたので、ぜひ参加してみようと思い、通勤に使っております。今朝なんかは予約したはずが消されてしまって遅刻してしまったりしたけど(笑)。まあ、実験だし、学生さんもがんばってるから、おじさんは許します(笑)。予約も混み合っていて取れなかったりするときもありますが、12月22日までの期間だというので、最後まで付き合っていきたいと思ってます。
2006年10月24日(火)「身障者用トイレがどの列車のどの位置にあるかを知る本」
今、バリアフリーは過渡期です。まだまだ「当たり前」の設備にはなりきれていない今、利用するには「情報」を自分で集めなければならない。以前掲示板で「きたぐに」さんが車両面のバリアフリーについて調べている、とかき込まれていましたが、その「知りたい」を可能にする本を見つけましたよ。
この本の主たる用途は、こだわりの旅を実現するために、よい座席でよい旅をしたい!よりよい車窓を楽しみたい!というあたりかな、と。でも、使い方の視点を変えれば、十分バリアフリーのツールとして使えそうな本だと感じました。新幹線や特急列車の全ての座席が記載されていて、どちらかというと資料性の高い本です。…ちょっと値段が高いんですけどね。興味のある方はどうぞ写真をクリックしてみてください。このような本が、もっと身近になって、手にしやすくなるといいなあ、と思うんですけど、。冊子版を作っていた身として、ぎりぎりは1000円かな、と。理想は800円。果たして採算が成り立つかは微妙ですが。そんなことを考えるわけです。
2006年10月10日(火)「掲示板の変な広告にご注意!」
もう、嫌になっちゃいますねえ…。掲示板の書き込みです。一生懸命パソコンを開く度に消しているんですが、あらし、でもない、スパム、っていうんですかね。とにかく自動的に変な書き込みがされるようになってます。プロバイダーのニフティさんに聞いても、「こまめに消すしかない」というし…。せめて皆さんにおかれましては、変な書き込みに反応せぬようお願いします。くれぐれもアドレスのリンクなどをクリックしないでくださいね。
ホームページを運営していく以上、ある程度は覚悟していましたが、こうしつこいと参りますね。でも、ほかの掲示板では、すごい量の英文がぶわ〜っとひたすら自動的にかき込まれていくケースもあるようですから、まあ、まだいいのかな…。
千葉の駅を少し更新しました。続きはまた今度。では!
2006年10月1日(日)「がったんも6才になりました!」
ちょっと遅いですが、がったんも先月の9月2日で6周年を迎えることができました。これもたくさんの人ががったんを支えてくれたからだと感謝しております。いつも、ありがとうございます!
さて、そんなこんなで迎えた6年目ではありますが、昨年から私自身の体調が今ひとつよくなくてですね、昔からマイペースをうたっていながら、ますますゆっくりな更新速度になっております(笑)。ただ、この「がったん」というコミュニティ、というか、「広場」はなくさずに残して行きたいので、これからもいままで以上に末永く(…ん?変な日本語だな??)見守っていただければ幸いです。
9月には、2002年に発行した冊子版の読者の方からお電話を頂きました。私も不在だったので、「もう、冊子版は出ないのですか?」という問いに、きちんとお答えできずすみませんでした。とりあえずですね、HP上での活動を進めながら、状況を見極めつつ、出すタイミングを探っていきたい。そのように考えています。でも、うれしいですね、「読んでましたよ」という感想を、聞かせてもらえるなんて…。
今後、どんな成長を続けるのかは分かりませんが、細く長く、続けていきたいと思っているので、今後ともどうぞよろしくお願いします。では、また。