車いすでの車両へのアクセス〜車両構造について

              車いすで鉄道やバスの車両に乗車する際の、現状をレポートしています。


2005年4月19日(火)「最近の車いすにおける車内環境〜近鉄特急を例に」

 最近、我が家の近くを走る常磐線に大きな変化が起きそうです。それは並行して走る「つくばエクスプレス」が今夏に開業することになったからです。
 今までの新しく開業する路線は、初乗り運賃が200円とか高いことが多かったのですが、つくばエクスプレスは初乗り160円!高速バスより安くって、おまけに速さも申し分なしとくれば、JRに対抗する条件は充分。
 対抗策として、JRはこの7月に常磐線だけのダイヤ改正を実施。その内容をみたら、つくばエクスプレスを意識しているのはわかるんです。それにしても、今までの常磐線沿線のうち、我孫子市に対しては、すごく厳しい内容で…。新設される特別快速も通過、今まで止まっていた特急もすべて通過。ああ、なんだか取り残されたような、淋しい気持ちの今日この頃なのでした。 
 あと、やまなさんから、近鉄特急の車内レポートが届きました。紹介しておきますね。
 「近鉄特急の車椅子席の様子送ります。新幹線と同じようなスペースと思いますがどうでしょうか?近鉄電車はきれいで使いやすく気持ちが良いです。ただし、特急料金がかかり、これは障害者割引が無いのが残念です。(大阪ー名古屋:片道座席指定特急料金2000円)。これが問題なく乗車出来るのに新幹線は何故ダメなのでしょうか。近鉄の改札で話すといつもエー何でと驚かれます。」
 そう、車内に身障者トイレが設置される動きは、すっかり定着し、新造車両では必ずと言っていいほど設置されるようになってきていますね。その内容も、室内空間の広さ、あたたかさ(イメージとしてね)共に向上している気がします。機能面はそれぞれ人によって感じ方が違うとは思うんですけれど。思い出してみれば、昔の(今も走ってるかな?)新幹線の身障者用トイレ、すべてステンレスの銀色で、冷たいイメージがあったなあ…。便座に座るのも勇気がいったような記憶があります。空間だけは広いんですが、それがまた寒さを増幅させていたような…。その時はそれが当たり前だったし、とても感謝したものですが、最近の良いトイレを体験してしまうと、なかなか昔には戻りにくいものですね。…というようなことを、このやまなさんのレポートを読んで感じました。


 昨日、夜、自宅近くまで路線バスの最終に乗ったんですよ。で、最後は乗客が私だけになったんで、運転手さんといろいろ話しをしながら乗ってきたんですけど。
 ノンステップバスやスロープ付のバスを積極的に導入しているバス会社で、「車いすユーザーの方々の利用の方はどうです?」と聞いてみたら、路線によっては、朝夕など定期的な利用があるそうです。また、車内での車いすの固定方法に関しては、決められているんだけれども、「大丈夫だから」とお客さんに言われて固定しないことも多いと言ってました。安全面に関しては、現場の判断に任されている部分が多いようですね。ローカルな路線と言うこともあるんでしょうけど。都内とかなら、それこそ規定通りにやらないと、と言うのがあるかもしれませんね。
 あと、運転手さんによってかなり運転スタイルが様々ですね、と。車庫までの最後の直線道路になると、あと3つほどバス停はあっても、いきなり帽子を取り、ぐわあっ!と加速していく人とか(笑)。そんなことを話したら、「まあ、みなさん、性格が出ますからねえ〜(笑)」ですって(笑)。
 降りるときには、「楽しかったし、何かの縁だから。今日は、いいよ。ここだけの、ことってことで(笑)」といって、そのまま降ろして頂きました(笑)。こんな素敵な、思いっきりローカルなお話が、まだあるんですねえ。あのときの運転手さん、ありがとうございました!(2005.3.)


「愛知万博の乗り物のバリアフリーについて」

 久し振りに大阪のやまなさんからメールを頂きました。愛知万博について感じたことが書いてありました。私も万博についてはあまり詳しくないのですけれど、名古屋は空港でかなり盛り上がっていると聞いてます。ただ、バスとなると、ちょっと事情が違うようですね。
<大阪のやまなさんより>
名古屋以外ではまだ盛り上がっていないようですが、もうすぐ開幕の愛知万博で車椅子乗車について、愛知の活動家の方々が万博協会やアクセス交通事業者と交渉し、いろいろ情報を発信されています。しかし、たいへん気になることが進行しているようなので報告します。

(情報転載)

メールを頂きました「愛・地球博」の万博八草駅から瀬戸会場を結ぶ「燃料電池ハイブリッドバス」(全便標準仕様ノンステップバス)とIMTS(全便ノンステップバス)に対する車いす利用者への対応につきまして協会に確認しましたところ、以下のような回答でした。
1、基本的にフックによる3点式固定が出来る車いすについては車いすのままでの乗車を可とする。自走式車いす(自走型、介護型)及び一般的な電動車いす(スティック操作)は固定が可能。
2、3点式固定が出来ないハンドル型車いすの輪留めのみによる体験乗車を、AJUの方にもしてもらったが、万一の衝突時による車いすの方の安全と他の乗客の安全が担保出来ないことから、メーカーとも協議した結果、乗車を遠慮してもらうこととした。ただし、どうしても乗車したい方については、協会が用意する車いすに移ってもらい乗車してもらことは可能。
3、案内表示として、車いすにより乗車出来ない場合がある旨知らせる。質問者様は、「固定具は輪留めと低速安全運転で」すべての電動車いすをウェルカムすべきとのご指摘ですが、不特定多数の人が集う会場において、不測の事態も想定しての対応かと思いますから、ご理解頂きたいと思います。

 これは万博協会が運行する話題のハイブリッドバスの情報ですが、名古屋地区はJR東海の本拠地であり、バリアフリ−意識が関西とはかなり異なっています。ハンドル型電動車椅子で、愛知万博に行けるのかはかなり否定的ですが、それよりバス乗車に3点固定が条件になるなど聞いた事もないことが、進行している事態に危機感をいだいています。みなさまはどう思われますか?

(情報転載、以下は愛知の交通行動実行委員へ小生が送ったメールです)

 愛知万博でのバス乗車でベルト固定が条件となっているとのことですが、この議論そのものが小生には不可解です。これまで、さまざまな交通手段を利用してきましたが、車椅子を固定することを乗車条件にされた経験はありません。
 何故この度は固定が前提になっているのですか?急ブレーキへの対応なら前方に対して飛び出さないように出来れば十分なのではありませんか。また、高速バス以外のバスで乗車時に固定を要求されたことすら一度もありません。このような事がどこかで行われているのですか?バス利用に対して「固定出来ることが条件」などということが前例になるのをどうして容認するのですか?3点ベルト式固定の是非以前にどうしてこの度だけ、このように厳重に固定しなければならないのかを問題にしないのですか?このバスはそんなに危険な走行をするのですか?通常の市内交通バスと同じで何故いけないのですか?この問題については良く知らないのでピント外れのことを申しているのかも分かりませんが、JR東海と同様に規制第一で、どうすれば誰でもが乗車出来るかとの肝心な視点からの話がなされていないように感じて、これが大規模催しの前例になることを憂慮いたします。

 以上がやまなさんからのメールです。これを読んだ感想ですが、この国は「はじめてのこと、もの」や「人と違うこと」について、あまりにも冷たいと感じます。人と違ったっていいんです。たいしたことではないんです。だけれども、違ってしまうと、安心できないのでしょう。ハンドル型電動車椅子についてもそう。「知ると言うこと」「知ってもらうこと」が、まずは最初の一歩。そう思ってます。(2005.3.)


 先日メールでJR各社に問い合わせた件の返答が戻ってきましたので、お知らせしますね。転用はだめよ、とのことなので、かいつまんでお話しします。
<JR西日本さん>
 現在多目的室があるのは、新幹線の16両及び8両編成の「のぞみ・ひかり・こだま」、「サンダ-バ-ド」、「しらさぎ」、「びわこエクスプレス」、「はくたか」、「オ-シャンアロ-」の各特急列車。利用時は予約制となり、乗車の1ヶ月前の日の10時から2日前までに、近くの駅へ直接又は電話で申込むスタイル。駅の発売ではなく、駅がセンタ-に取り次ぎ空席があった場合のみ発売をするとのこと。
 多目的室の増、発券時の簡素化等につきましては現在のところ考えていないそうです。しかし、ここまですっきりはっきり答えてくれたのは、西日本さん、さすがです。
<JR九州さん>
 2種類の特急車両に、「マルチスペース」を設置しており、気分が悪くなられたり、授乳の際など、利用したい場合は誰でも利用でき、予約や繁雑な手続き等はないとのこと。
 
 こうやって各社に聞いてみると、それぞれ対応に大きな違いがあることがあらためてわかりました。そして、西日本さんのように、手続きにはかなり難しさがあり、かつ、それがPRされていないために、非常に分かりにくい、ということもわかりました。というか、このシステムをなぜ時刻表でもいいから、もっとPRしないんでしょう。PRしすぎると、混雑してしまうせい?でも、この部屋を本当に必要としている人も、結果的には使えない、ということが多いのでは、と思ってしまいました。う〜ん、何とかならないのだろうか…。(2004.11.)


「便利な設備を上手に運用していくためには」

 掲示板が、多目的室の話題で盛り上がっているので、ここでもう一つ新しい話題を。
 昨日はJR東日本のダイヤ改正があり、いくつか華やかなニュースがあったのですが、その一つに房総方面に走る特急列車「さざなみ」「わかしお」号にE257系という新型車両が導入されたことがあげられます。この車両の特徴はJR広報によると、「バリアフリーと省エネ・軽量化に配慮した車両。ドアは車イスも通れるよう広くなっています。」「多目的室や車イス対応洋式トイレがあります。」というところでしょうか。
 今までは新幹線にこそ身障者用トイレや多目的室があったものの、在来線の特急列車には最近身障者用トイレが設置されるようになってきたばかり。ここで今回のE257系という新型車両が、今後のバリアフリーのモデル車両になってくれたら、と願わずにはいられない。身障者用トイレが設置されることは、今では当然のこととして設計段階から定着した。あとは、多目的スペースにも踏み込んで設計していく流れができれば、と考えるのだが。
 まあ、あとはせっかくの設備をどう活かすか、という点が大事になってくる。宝の持ち腐れ、ではないけれど、やたらルールを複雑にして、利用するまでに大きな「壁」ができてしまうのもどうかと思うし、かといって、あんまりハードルを低くすると、思った以上に利用が殺到し、本当にその席を必要としている人まで利用できない事態も想定される。ただ、なんとか知恵を絞り、せめて発券作業を簡素化できるよう工夫していくことができないだろうか。マルスというコンピューターにプログラムすることは、そんなに難しいことではないと思うのだけれど…。掲示板にあれだけ不便である実態が話されているわけで、改善できるようJR各社には耳を傾けて欲しいと思う。
 あと、個人的に言えば、なんか、今ひとつ「隔離」されたイメージがあるんですよね。イメージ的に暗い、というか。確かに着替え、休息に使うこともあるわけで、あんまりオープンにできる設備ではないとは思うんですけど。もう少し「特別」という雰囲気を少なくできれば、いいのにな、と利用するたびに思います。
 JR東日本、東海、西日本、九州の各社には、メールにて、利用する際の手続きに関することを質問してみようと思っています。返事をいただき次第、報告しますね。(2004.10.)


 今日はネットを散歩していて見つけた、鹿児島の路面電車の話題を。鹿児島の路面電車は「超低床電車(ユートラム)」というバリアフリー化された電車が一部導入されていて、一時間に一本の割合で市内を走っています。鹿児島市のホームページに乗車方法が写真入りで詳しく掲載されており、併せて「超低床電車(ユートラム)」のことも詳しくわかるというよいページです。一度ごらんになってみて下さい。
 全国で今、路面電車が見直されていますね。建設費も安価で済みますし、鉄道と違って駅舎での垂直移動の心配が少ない。駅舎の心配をしなくていい分、車両を工夫すれば車いすを利用した乗降も、かなり便利なものとなります。バリアフリー的にはよい選択肢といえるでしょう。一列車あたりの輸送量の問題はあるけれど、全国から次々と消えていった路面電車の存在を見直していくのもよいかと感じたこのごろであります。           (2004.2.)


 大阪高速鉄道が、3月から全駅に車椅子対応の常設型スロープを順次設置するそうです。詳しい内容が大阪高速鉄道のホームページにpdfファイルで載っていますので、ぜひご覧ください。京浜急行での駅でも見たことがあるんですが、今、広がってきているんですね。
 「全国・駅改築カレンダー」にて新しい情報をたくさん更新しました。是非ご覧ください。新しい情報の更新も大事だけど、日々変わってゆく情報をチェックし、メンテナンスしていくことも大事だと感じています。まあアンテナを高くしているつもりではありますが、これが一番大変手間がかかることではあるんですけども・・・。みなさんの情報も、なにかありましたらぜひお寄せください。お待ちしています。                             (2004.2.)


 岡山の路面電車がバリアフリー化されているという記事を「ミチナビ岡山」で見つけました。路面電車は今見直されている交通機関。特にLRV(Light Rail Vehicle:超低床路面電車、愛称MOMO)などが導入されることで、移動しやすい環境が整います。そして設備投資も比較的安くすみ、移動も楽。モノレールや新交通システムを整備するより、よっぽどよいのではないか、と思ってしまいます。
 井上孝司という方の文章も、なかなか説得力があってよかったです。輸送量もあんまり変わらないでしょう、モノレールとかと。昔の交通手段を再考するよい機会なのかもしれません。                  (2004.1.)


 この写真は京浜急行三崎口駅で撮影したものなんですけど。ホームの端がステップになっていて、車イスを使って乗車するさいにうい〜んと上がって、ホームと車両の段差を解消する、という装置ではないかと推察します。
 この手のバリアを解消する方法として、渡り板がありますね。これは各ホームに常備しておき、利用する場合は駅員さんが持ってきてくれて、橋のように渡してもらいその上を渡って乗車する、と。
 でも、この装置は一体どこで操作するんですかね?駅事務室からの遠隔操作かな?それともホームにスイッチが設置されているのでしょうか。使用している様子を見たことがないので、詳細をレポートできませんが、このような装置もあるぞ、ということで。もし、使ったことあるよ!と言う方がいらっしゃいましたら、感想など教えていただけると嬉しいです。                                                (2003.12.)


 「がったん」では駅舎に特にスポットをあてて、バリアフリー情報を流していますが、mittiさんから、「やはり車両乗降時のバリアも考えていかないと」というメールを頂きました。ちょっと、紹介しますね。
 「私の経験から車椅子で電車に乗車するときには、車椅子後部についている転倒防止用のキャスターを出しておく必要があります。ついていない場合は、同伴者及び駅員に後ろから押すなどのサポートを頼むことが必要です。やはり、車椅子での乗降には危険が伴うことを意識することが、乗降の際の事故を防ぐために大切です。駅にエレベーターやスロープがあり、バリアフリーであるとしても、乗降する際にもバリアがありますから。」
 車両に乗り込む際には、車両自体にステップとして物理的に段差が生じる車両、また、列車とホームの隙間や段差も歴然として存在します。駅の外からホームまで、エレベーターなどでバリアフリーになっていたとしても、最後の車両の部分で自力では乗降不可能、という場面が多く存在します。車いすをたたまないと乗降できないくらい狭い乗降口も車両によっては存在しますし。ただ、そのバリアは列車によって、駅によって、あまりにもまちまちであり、文字として、写真として、完全にガイドすることは不可能である、と「がったん」は判断し、駅舎のみに特化した情報を提供してきました。しかし、明らかにその乗降時に大きな不便が予想される場合(ホームがカーブしている、車両のドア付近が極端に狭い、など、主だったものは今後も情報として提供していく予定です。             (2003.5.)



 この写真は中央線のJR飯田橋駅です。この駅のホームは大きくカーブしており、ホームと車両の間に大きな隙間ができてしまうんです。駅的には自由に使えるスロープもあるし、車両自体にステップもないので、利用しやすい駅に入ると思うんですが、いかんせんこの隙間があってはちょっと安心して利用できないですね。ホームの場所によって隙間の大きさが違うので、介助者がいてもドアを選ばないと、苦労する、と言う一例でした。まあ、ホームがカーブしているというところに根本的な原因があるんですけども・・・。そういう細やかな情報も、「がったん」でいずれは流していきたいと思っています。(2003.5.)


 この3月のダイヤ改正で、名古屋〜米原〜富山(和倉温泉)間の特急「しらさぎ」に、特急「サンダーバー ド」に運用されている683系という新型車両が導入されることになりました。まずは特急「しらさぎ」4往復に充当され、2003年秋には「しらさぎ」全列車と米原以北を走る「加越」の置換えを完了することになっているそうです。これで、身障者用トイレなどバリアフリー化された特急車両がまた増える事となり、全国的に見てもその割合はぐんと高まります。すでにバリアフリー法の追い風もあり、新車に関しては特急列車に限らず普通列車の車両においても、身障者用トイレなどバリアフリーを意識した車両の製造が一般的となり、今後ますます利用しやすくなると思われます。今後のニュースに注目したいですね。                                                (2003.2.)


 JR東海の情報です。JR東海発足後に製造した車両でバリアフリー対応化していない車両について、今後改造工事を実施するそうです。具体的には車いすスペースと身障者用トイレの設置ですが、特急列車だけではなく、在来線の普通列車などの車両にも導入されるとのこと。この工事は特急列車は2004年度末までに、普通列車は2005年度末までに完了を目指すとのことです。
 この工事が終わると、JR東海管轄の特急列車は全列車がバリアフリー対応となります。そして、データイムに名古屋駅を発着する列車のほぼすべてが車いすスペースのある車両となるとのこと。これは、ある意味画期的なこと。会社(ここではJR東海)がきちっとした方針をだしたことで、確実に車いすの利便が向上することでしょう。これを受けて、他の会社も続いてくれたらと願っています。                                 (2002.8.)


 今回は新幹線の多目的室を紹介します。この部屋は、体調を崩した利用者の人のために用意されている部屋です。あと、赤ちゃんの授乳、おむつ交換などにも申し出れば利用させてもらえます。
 でも、やはり一番メリットを感じる人は、体調を崩した人でしょう。横になれる、というのが一番ですね。座位の保持が難しい人にはとても助かる空間だと思います。
 利用にあたっては基本的に予約は必要なく、当日車掌さんに申し出て、鍵を開けてもらっての利用になります。
 何号車にあるかというのは、列車によって違いますので、事前に乗る列車が決まったら、早めに駅などに確認してみましょう。旅行会社に聞いてみるのも手ですね。
 この写真は東北新幹線の「マックスやまびこ」の多目的室で、7号車に設置されていました。
(2002.2.)


 寝台列車の紹介の続きです。今回はカーペットカーを見てみましょう。
 ご覧のとおり、じゅうたん敷きで、ごろりと横になれるのが特徴。わりと自由な座位を取れるのがいいかなあ、と。そんなことを思ったりするわけです。ただし、基本は寝るための空間ですから、じゅうたんの上で一晩寝れるか、という問題が残ります。背中が、痛くなるかなあ・・・。ただ、寝台料金がかからないんですよ。指定席料金で乗れるので、大変料金的に安いというメリットがあります。
 女性専用スペースも、列車によってはあるようです。時刻表をチェックしてみましょう。このカーペット車を連結しているのは、東京〜高松・出雲市間の特急「サンライズ瀬戸・出雲」、京都〜高知間の快速「ムーンライト高知」、青森〜札幌間の急行「はまなす」、青森〜函館間の快速「海峡」(昼間)などがあります。
 体力に自信がある方は、挑戦してみてはどうでしょうか・・・。
 (2002.1.)


 寝台列車の紹介の続きです。前々回から、ホームからベッドまでのルートを確認しています。今回は青い車体の寝台列車のB寝台のベットを見てみましょう。
 2段ベットが向かい合っていて、間の通路が52センチ。入れる車椅子はかなり限られてきそうですが・・・。ただ、ごろりと横になったりできるし、カーテンを引けばある程度のプライバシーも守られます。今は、女性専用車両なども連結していることもあります、時刻表をチェックしてみましょう。ベットに乗り移ってしまえば、長時間同じ座位をとらなくても済むし、わりと自由に長時間の移動が可能であるように感じます。ただ、やはり利用しづらいことには変わりないかも・・・。
 乗り移るのに困難を感じる場合は、カーペットカーという選択もあります。連結している列車は限られますが、考えてみる価値はありそうです。
 次回はカーペットカーを紹介します。(2001.12.)


 寝台列車の紹介の続きです。前回から、ホームからベッドまでのルートを確認しています。今回は青い車体の寝台列車のB寝台の車両を例にとり、デッキから車内廊下までのルートを確認してみましょう。
 デッキから車内に入るためにドアがあるんですが、このドア幅が狭い!約57センチ。ここが一番のネックといえるでしょうか。寝台列車の一般的な寝台であるB寝台の車両です。
 車いすの種類にもよりますが、もう少し余裕があると車内での移動が随分楽になるんですが・・・。次世代の車両を待つしかないのでしょうか。う〜む・・・。
 次回は一般的なB寝台の寝台を見てみましょう。

(2001.12.)


 寝台列車の紹介の続きです。今回の調査であらためて写真を撮ってきました。ちょっとはじめに戻って、ホームからベッドまでのルートを確認してみましょう。寝台列車の一般的な寝台であるB寝台の車両です。
 まずデッキ部分ですが、1段ステップがあります。ドアの幅は63センチ。列車や車両によってまちまちですから、一概には言えませんが、この写真のような青い車両だと、63センチであると思ってよさそうです。さあ、この幅でご自身の車いすが通ることができそうですか?
 この車両も25年以上のものが多くなり、世代交代の時期にさしかかっています。ただ、寝台列車自体が利用者減少のため存続そのものが危ぶまれており、寝台列車の旅をするなら今のうち、という気がします。今はがらがらでも、廃止が決まるとどっと混み出すのが常ですから。さあ、次回はデッキから車内廊下まで入ってみましょう。(2001.12.)


 寝台列車の紹介の続きです。大体の寝台列車の車内廊下は、この写真ぐらいの幅になります。この写真は、個室車両の廊下ですが、開放式のB寝台もほぼ同様な幅です。車いすによっても違ってくるでしょうが、ほぼ通れそうではないかと考えます。
 車内も、列車や車両によってまちまちですから、一概には言えませんが、個室タイプのもの、開放式のものなど、さまざまです。個人的には、個室よりも昔ながらの開放式のほうが車いすからは乗り移りが負担が少ないように感じました。でもやはりトイレですよねえ・・・、問題は。何とかならないでしょうか、JRさん・・・。
 ただし、前もお話しましたが、東京〜高松・出雲市間を走る「サンライズ瀬戸・出雲」は、新型車両のために、身障者用の個室やトイレなどが設置されています。この冬の調査では、この列車を利用する予定ですので、次回以降レポートしたいと思っています。(2001.12.)


 寝台列車の紹介の続きです。「北斗星」「カシオペア」(上野〜札幌)、「トワイライトエクスプレス」(大阪〜札幌)、「富士」(東京〜大分)、「はやぶさ」(東京〜熊本)、「あさかぜ」(東京〜下関)には、サロンカーという車両が連結されています。よく寝台列車は居場所がないといいますが、これらの列車に限れば、車椅子に乗ったままでもゆったりと過ごせます。もちろん、自分の寝台のある車両からこのサロンカーまでの移動が大変といえば大変なんですが・・・。切符を買うときに駅のみどりの窓口で「サロンカーの近くの車両でお願いね。」と頼んでみましょう。空席がある限り、希望にこたえてくれますので。
 おしゃべりをしたり、お弁当を食べたりと、何かと重宝しそうですね。でも、ここで寝るわけにはないので(笑)。次週は他の施設も見ていきましょう。
(2001.12.)


 寝台列車の紹介をします。
 まずは、寝台列車(ブルートレインといったほうが、親しみがあるかな?)の代表格ともいえる「北斗星」。関東、東北地方と北海道を直通する列車として未だに根強い人気を誇っています。バリアフリーに特別配慮していないため、車椅子での利用はなかなか大変だとは思うんですが、車内を知ってもらうことで、いろんな対策を練り、旅の友にしていただけたら、とても嬉しい。私、個人的に北海道が大好きなんですけれど、朝起きると、窓の外に広がる北海道の風景ー。これを多くの人に味わって欲しい。来てよかった。そう思えるものが、寝台列車の旅にはあるのです。(2001.12.)


 さて、今週は、車いすで車内を利用した場合の居場所について考えてみたいと思います。(写真は総武線車両。)
 現在、車いすで車内で過ごすには、次の方法が考えられます。
1.車椅子から降り、座席に移る。(空車の置き場所に悩む。)
2.車いすに乗ったまま過ごす。
 1の場合は、車いす利用者が全員座席に移れるものではない(体調的に)ので、現実的ではない。また、電動車いすはたためないので、置き場所が必要になる。
 2の場合は、車内には案外居場所がない。通路や出入り口、ドア付近は人の流れが多く、落ち着かないばかりか危険も伴う。(山手線のようなロングシートの車内は、座っている人の前は居づらい。結局、出入り口ドア付近しか居場所がないのだ。)
 以上のことを考えると、上記のようなスペースが有効になってくると思われる。何の変哲もないスペースだが、自然に過ごせる空間であるように感じる。すぐそばに身障者用トイレも設置されており便利。難点は長い編成の場合、一番端の1両のみが対応となりがちな点。  今後、新車を中心に常設される傾向にあり、今後が期待される。(2001.2.)


 車両のバリアフリーについて。列車に乗り込むときに一段のステップがある車両を先週は紹介しましたが、今週は車内にステップはないものの、ホームと車両の間に段差、及び隙間があるケースです。この場合、やはり車いすは抱えて乗車、ということになり、完全なバリアフリーが実現しているとはいえません。しかし、このケースでは、ホームのかさ上げと隙間の解消を図ることで、不便な状態を解消することができます。身近な例では、新幹線などでは実現済みです。しかし、地方では、先週のような車内に一段ステップのある車両がホームに入線することもあり、車両の規格が違うことでホームと車両の間に幾種類もの段差が発生することがあります。そのために、あえて中途半端な段差を残している駅もあるようです。JR側もその点については理解されているようで、地道にホームのかさ上げ工事、それと並行して、車両の規格の統一が進められています。しかし、今ある車両を一度に新しく更新することは実際問題難しく、まだ時間がかかりそうです。(2001.2.)


 車両のバリアフリーについて。どんなに駅にエレベーターが付いて、駅の外からホームまで自由に移動できたとしても、実は車両によって、列車に乗り込むときに一段のステップがあるものが多いです。この場合、車いすは抱えて乗車、ということになり、完全なバリアフリーが実現しているとはいえません。昔のブルートレインと呼ばれる寝台列車には、入り口の幅が狭く、車いすが入らず、抱きかかえられて座席へ・・・というケースも残っています。新しく作られている車両には、そのようなことはなくなってきていますが、ちょっと注意が必要です。やはり、「どんなことが不便なのか?」ということを、実際に使ってみて、いろんな人に気づいてもらう、という作業が必要なのかな、と個人的には思っています。(2001.2.)


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